2/23/2025

我が家に新しい家族。Livestock Guarding Dog 家畜護衛犬 🐶

うちの敷地に度々近所の犬が入ってくる。ちなみに、今週のうちに2回も別々の犬が入って来た。我が家で可愛がっていた鶏を、近所から逃げてきた犬に殺されたことがある。一羽は即死、二羽目は重度の怪我を負って私が必死に介抱して回復した。回復するまで数ヶ月かかって、その治療が本当に大変だった。過去の経験から、犬がうちの敷地に入り込んで、ヤギと鶏のいる小屋をうろうろられると本当に腹が立つ。多分ほとんどの犬はショックカラー(犬が決められた敷地内から出ると電流が走るようになっている首輪)の電池が切れたとか、家から逃げ出したとか、飼い主も放し飼いにしているわけではない場合が多いから、余計に複雑な気持ちになる。一匹の犬は飼い主が普段から放し飼いしていたので、文句を言いに行った。犬の飼い主が分かれば、私はすぐにその日のうちに苦情を言いに行くようにしている。なぜならば、以前苦情を言いに行くのを躊躇っているうちに、その犬がまた来て、鶏を殺されかけたから。

うちの敷地は約2,700坪ある。日本人の人が聞いたらびっくりするかもしれないけれど、アラスカの田舎では広くも狭くもない大きさだ。ちなみにアメリカ中西部だと、19万坪かそれ以上の農場で育ったという人も結構普通にいて、流石にこれにはびっくりする!うちの全敷地をフェンスで囲うとなると$25,000 to $30,000くらい、もしくはそれ以上かかると思う。フェンスごときにそんな大金を使うのはもったいないので、どうすれば犬の侵入防げるか数年間考えていた。その間にも、近所を歩いていたときや、ハイキング中、バイキング中、街中でも、放し飼いの犬に何度も追いかけられたり怖い目に遭ったこともあり、「もう犬を撃退するには犬しかないんじゃないか?」と思うようになった。

いろいろ調べて、家畜護衛犬(英語ではLivestock Guarding Dog)を飼うことにした。犬は手間がかかるので、多分一生飼うことはないと思っていたけれど。調べていくうちに、犬種によって役割が分かれていて、保健所でもらってきたミックス犬(英語ではmuttsとも言う)を訓練して家畜を守るように育てればいいと思っていたら、そんな簡単な話ではないことがすぐに分かった。犬は歴史が古いので、ちゃんと家畜を守るために作られた犬種ではないと家畜を襲ったり殺してしまう。例えば、家畜を狼、熊、コヨーテなどの外敵から守る家畜護衛犬と、家畜を追って一箇所に集める牧羊犬は全く異なる犬種になる。牧羊犬は動くものを追う習性があるので、鶏を守ることは難しい。

たくさんリサーチして、私の家族のライフスタイルや飼っている家畜に合わせると、グレートピレニーズかそのミックスが良いなと思った。友人や知り合いにグレートピレニーズをどこでもらってきたのが聞いていくうちに、仕事を通じて培ったネットワークで犬を貰えることに!友達の友達の知り合いの友達というすごいツテだった笑 

お母さんグレートピレニーズが、カレリアンベアドッグのお父さんと交尾してできた生後6週間になる子犬がいることを教えてもらった。飼い主さんに連絡すると、親切にも無料で子犬を譲ってくれた。生まれた十匹の子犬に毎日ご飯をあげるのが大変だったらしく、「もらってくれて嬉しい。ありがとう」、と言ってくれた。飼い主さんにはお礼に大量の子犬用ドッグフードと子犬の体内に住む虫を駆除する薬を渡した。

アラスカでは(アメリカ全土でそうなのかな?)、血統書付きの犬のミックスはなぜか数十万する😱きっと需要があるのだろう。すでに成犬で、家畜護衛犬のミックスがいるレスキュー団体いくつかに連絡したけれど、なぜかどこからも返事が来なかった。Googleのレビューでも同じような経験をしている人がたくさんいて、どうやらみんなボランティアなので、連絡しても返事が来ないことは普通らしい。欲しいと言っている人がいるのに、返事しないままだと、犬も可哀想だしレスキュー団体にかかる負担が半端じゃないと思うのだが。。!?😅

ただ、うちの鶏や猫とも共存できるようにするとなると、おそらく子犬から飼わないと鶏や猫を追いかけるprey drive(獲物を追いかける衝動性)をコントロールするのは難しいので、子犬がベストだと思っていた。馬やヤギを長年飼っている友人たちも、子犬にしないと守るべき家畜へのインプリンティング(刷り込み)ができないと思うよ、と言われていた。後で調べると、やっぱり生後8週間〜12週間の間に鳥類に慣らしておかないと、追いかけてしまうらしい。しばらくネットで探していたけれど、グレートピレニーズミックスの子犬が全然見つからなかった。見つかってもすぐに貰い手が見つかり、毎日仕事をしている私はネットに張り付いて逐一子犬の情報をチェックするわけにもいかないので、もういっそのこと純血種をブリーダーから買おうと思っていた矢先だった。

昨日、片道4時間半かけてトラックを運転して、我が家に子犬がやってきた!昨日でちょうど生後8週間。名前はオリバー❤️

8週間にしてすでに体重は15パウンド(6.8 kg)。。。片手で担ぐのがすでに大変!多分、小さいメスのグレートピレニーズくらい成長すると思う。うちの家畜や家族を守ってくれるように、しっかり訓練します!



2/02/2025

森の中から聞こえる、変な声の正体

 車の修理のことでまだ書きたいことがあるけれど、昨日夫から聞いた面白い話をブログに残しておこうと思う。

銃オタクの夫は自分で弾丸を作る。冷蔵庫よりも大きい金庫の中に、何丁の拳銃やライフルがあるのか、もう私は把握していないし、したくもない。とりあえず、射撃を楽しみながら自分の作った弾丸の速度をデータにして測定するのに、夫は週末になるといつも自分の実家の近くにある森の中に消えていく。私も何度か同行した。森の中は面白いけれど、銃に全く興味がないので何時間も射撃に付き合っても、こっちはまったく楽しくない。ブルーベリーやラズベリーが近くにあるときは夫が射撃中に、私がベリー狩りをして時間を潰している。それか、夫が森にいく時は私は近くの森で友達とクロスカントリースキーをすることが多い。

昨日も同じようなルーティンで、私は森でスキー、夫は近くの森の中で射撃を楽しんでいた。息子は義実家で甘やかされて可愛がってもらっていた。義実家で大量のお菓子を食べさせてもらい、iPadでビデオを見て、豚骨ラーメンを食べ、義実家の犬と遊び、近所の犬が来て遊び、あとは話し上手で面白いお義父さんと一緒にドライブに行ったらしく、帰って来てからおじいちゃんと過ごした時間がどれだけ楽しかったかを息子から聞かされた。私は3時間半ほど友達と友達の犬二匹でスキーをした。スキーから帰ってくると、夫がこう言った。「森の奥深くで射撃してるとさ、こんな声が聞こえたんだよ。」そう言って、録音した音を聞かされた。赤ちゃんが泣いているような、それか野うさぎが死ぬ前に叫ぶような悲しい声だった。

夫が、「この声が大きくなったり小さくなったり、途切れたりもするけれど、ずっと聞こえるんだよ。声の正体を確かめようと思って、1時間ほど森の中を突き進んで行ったんだよ。声の音量が変わるのは、怪我をした動物がぐるぐる森の中を歩いてるのかなぁと思って。もしどうしようもない怪我を負っているならば、殺してあげたほうが長い間苦しまずにいいんじゃないかと思って。」私が、「えっ、で声の正体は分かったん?」と聞くと、夫は「うん。」と言った。分かっとるんやったら、はよその声の正体私に言えや!!と思ったけれど、辛抱強いフリをして私は黙って夫の話の続きを聞いていた。

夫は、湿地の淵をいくつも渡り歩き、持っていたライフルや拳銃を引っ提げて黙々と声のする方に歩いて行った。1時間ほど経つと、また別の沼に出た。そこで、白いカモフラージュ柄の服を着た夫婦が立っていた。手を挙げて挨拶すると、夫婦も手を挙げた。夫婦の横には、スピーカーが置いてあって、そのスピーカーからあの悲しい声が流れていた。

この夫婦はとってもフレンドリーだったらしく、夫はこの夫婦からこのスピーカーの事を色々教えてもらったらしい。これはFox Proというハンティング用の機械で、スピーカーから色々な動物の声を流すことができるらしい。色んな設定があり、音量も調節できる。この声を聞いたリンクスやコヨーテ、オオカミなどの捕食動物が森から出てくるので、毛皮を取るために殺すらしい。流れていた声は、野うさぎが怪我をした時や死ぬ前に出す鳴き声だった。夫婦はこの機械を使って、実際にリンクスやコヨーテなどを誘き出せたらしい。コヨーテはかなり大胆で、森の中から飛び出てくるらしい。一方、リンクスはすごく慎重に出てくるらしい。しかしはっきり言って、まさか森の奥深くからオッサンが突然出てくるだなんて、この夫婦は思いもしなかっただろう。。。

この夫婦は、先日、スピーカーを周りに家なんて全くない、かなり僻地の山奥で試したらしい。私もそのあたりの地名だけは知っている。本当に家なんて全くない山奥だ。夫婦はしばらくそこでスピーカーから音を鳴らし続けたらしい。野生動物が一方に出てこない中、30分後にラブラドールレトリバーが突然森の中から出てきたらしい。二人共、「一体こんな山奥になんでラブラドールレトリバーが!?」、と驚いたらしい。この犬はスピーカーに興味津々で、しばらくスピーカーをチェックしたあと、また森の中に消えて行ったらしい。すると、30分後に、また同じラブラドールレトリバーが現れて、今度はセントバーナードを連れてきたらしい🤣きっとラブラドールが家に帰ったあと、一緒に住んでいるセントバーナードに、「すごいぜ!変な機械から変な声が聞こえるんだよ!!お前にも見せてやるから、一緒に見に行こうぜ!!」っていう感じでセントバーナードを連れてきたのかな、と思うとかなり笑えた😂ものすごく面白い話を聞かせてもらったな、と思えた1日だった。

友達とクロスカントリースキーをした湿地帯