11/19/2023

Nordic Ice Skating ノルディックアイススケート

ジョールに新しくできた友達がいて、この友達がとっても変わった経歴の持ち主だ。この友達はアメリカ空軍の特殊部隊にずっと所属していて最近退職した。趣味で富士山よりも高い山の上にヘリコプターから飛び降りて、山の頂上からスキーで滑り降りるなんてことをしている。ノロい私には全く考えられない世界に住んでいるなぁとこの友達の趣味の話を色々聞いていると思う。退職に向けて動いている間も山岳、海難救助などに携わっていて、サンフランシスコに住んでいる超お金持ち相手に、僻地でのサバイバルハンティングコースなども企画していた。

この友達の友達がまたみんな面白い経歴の持ち主なのだが、とりあえずこの友達の友達からノルディックアイススケートのことを知った。ノルディックアイススケートは、普通のアイススケートと似ているのだが、いわゆるオフトラック、アイススケートのこと。つまり、整備されたアイススケートリンクで滑るのではなく、野外にある凍った沼、湖、川など自然の氷の上を滑るスケートのこと。自然の中にある氷となると、氷から草が突き抜けていたり、表面がぼこぼこだったり、雪が積もっていたりする。普通のフィギュアスケートのブレードではうまく滑れない。なぜかというと、フィギュアスケートブレードの前部分はボコボコしていて、この部分でブレーキをかける。このボコボコしたブレーキが草に当たったり盛り上がった氷に当たったりすると、衝撃で転んでしまったり前に進めなかったりする。ノルディックスケートのブレードはこのブレーキ部分がなく、代わりに上を向いたスムーズなブレードになっている。そして、ノルディックスケートのブレードは長い。なので、ぼこぼこした表面や雪の積もった氷の上でも比較的安定して滑ることができる。

ノルディックスケートを選ぶとき、色々ネットを見たけれど、英語での情報がすごく少ないことに気付いた。ヨーロッパでは人気のアウトドアスポーツなのだが、アメリカではまだほとんど無名状態。私の友達も一緒にノルディックスケートをしたい!ということで友達のスケートブレードのことも調べ、その過程で色々学んだのでここに記録に残しておく。情報が色んなWebページに拡散していて、情報収集にものすごく時間がかかったので、ここでまとめておくことにする。

ノルディックアイススケートの魅力については、この動画がとっても上手に伝えていると思う!

ノルディックアイススケートの長所

  • すでにクロスカントリー、スケートスキーを持っていて、スケートスキー用のブーツを持っている人は、このブーツをスケート用に使うことができる。つまり、新しくノルディックスケート用のブーツを買う必要がない。
  • 自然の中でアイススケートができる。もちろん屋内のアイススケートリンクでもスケートができる。
ノルディックアイススケートの必要なもの
  • 1)ノルディックアイススケート用のブレード、2)クロスカントリースケートスキー用のブーツ、そして3)ブレードの上にマウントするバインディングが必要。
  • ノルディックアイススケート用のブレード:調べたところ、メーカー別に品質・耐久性を並べてみると、こんな感じ。Isvidda<Lundhags<Zandstra<Ermine Skate(ただ、Ermineは重いのが難点)。結局私と息子、友達のスケートはオランダにあるネットショップで購入した。今ドル高のせいもあってか、アメリカで購入するよりもかなり安く購入できた。関税にドキドキしたのだが、調べてみると800ドル以下の商品は関税がかからないらしい。オランダからの発送だったが、数日で自宅に届いてびっくりした。Zandstraはサイズチャートがネットにちゃんと記載されておらず、自分のブーツに合うブレードの長さを探すのに苦労した。以下のチャートがZandstraのオフィシャルサイズーチャートになる。このユーロサイズが男性用なのか女性用なのか不明で、ネットショップに相談したが、「これはユニセックスサイズです」と言われ、ますますそれって答えになってないやんー!と思いながら、なんとかオーダーした。私はユーロサイズでブーツが40なので、43cmのブレードをオーダー。ブレードは、長距離をアイススケートで移動する場合は安定感が必要なので長めのブレードをオーダーする人もいる。もっとクルッとターンしたりしたい場合は(ちなみにノルディックスケートはブレードが長くブレーキがないので、フィギュアスケートのように華麗にターンすることはできない)、短めもしくは自分のブーツにぴったり合ったブレードが良いそう。

  • ブレードにマウントするバインディング
    • 注意したいのは、アメリカで比較的簡単に購入できるLunghadsのブレードは、マウンティングできるバインディングが限られてくる。バインディングをマウントするために穴があらかじめ開けられているのだが、この穴に取り付けられるバインディングが限られている。なので、バインディングによれば自分でドリルで穴を開けないといけない。しかも、マウントするときのボルトやナットなどがブレードに付属してこないので、自分で購入しないといけない。どのバインディングにどのボルトやナットが必要なのか、ネットで調べても情報が出てこない。
    • 私は失敗して穴を開けてしまった時のことや、誤ってボルトやナットをオーダーするリスクも考えて、結局Zandstraのスケートブレードを購入した。私と息子の持っているスケートブーツに合うバインディングもすでに取り付けられていて、これなら絶対に失敗しないと思ったので。ちなみに、ZandstraのNordic Ice Skateはどのバインディングでもマウントできるし、マウンティングに必要なハードウェアがブレードに付いてくる。
    • バインディングを探すときに注意したいのは、できるだけクロスカントリースキー、スケート用(クラシック用ではなく)のバインディングを選ぶことが大切らしい。ただ、調べてみると、スケート用とクラシック用のバインディングの違いは、単にバネの部分が硬い(スケート)か、柔らかい(クラッシック)だけらしい。そこまで大きいな違いはないので、どうしても自分のブーツに合うスケート用のバインディングが安価に見つからない場合は、レクリエーションで使うだけならばクラシック用でも問題はないと思う。私の友達はSNSパイロットという古いタイプのスケートブーツを持っていて、このタイプのスケートスキー用バインディングを安価に探すのに結構苦労した。

  • クロスカントリー、スケートスキー用のブーツ。クラシックスキーのブーツはくるぶしあたりのサポートがないので、お勧めではない。
  • ブレードを研ぐ砥石:毎回滑り終わったらブレードを研ぐ必要がある。
  • 安全面で必要なもの:

 水に浮くタイプのロープ:一緒に滑っている人が氷を突き破って水の中に落ちてしまった場合、ロープを投げる。

 アイスピック:自分が水の中に落ちてしまった場合、このピックを使って水の中から這い上がる。


アイススクリュー:万が一、一緒に滑っている人が水の中に落ちてしまった場合、必要あらばアイススクリューを氷に差し込んで、ロープを固定する。

アイスパイク:氷の厚さは4インチ以上ないと安全に滑ることができない。自然の中でできた氷は透明でないことも多く、雪が積もっていて厚さを目視できないことが多い。調べたところ、安全に氷の厚さを確認できるのはアイスパイクしかないとのことで、フィンランドにあるネットショップでしかアイスパイクが売っていなかったので、そこでアイスパイクを購入した。アイスパイクの長さは基本的に自分の身長マイナス30センチがおすすめらしい。自分のサイズがちょうどアイスパイクの長さの真ん中辺りである場合、私はサイズアップをお勧めする。クラシックスキーをする場合、ちょっと高いくらいが私の場合はスキーがしやすいと思ってるので。

無事に届いたスケートに早速スケートスキーブーツを付けてみた!