12/17/2014

学習障害は英語圏での罹患率が高い?

アメリカの特別教育(スペシャルエジュケーション)に割り当てられた生徒の中でも、群を抜いて多いのが学習障害を持つ子どもたちなのだ。

私が日本でいた時、学習障害の子は本当にまれにしか見なかった印象がある。私の知っている「学習障害」と診断の付いていた子どもたちは、みんな精神発達遅滞(いわゆる知的障害)を持っていた。よく考えたら、学習障害の診断基準って、本来知的な遅れがない子どもに診断されるものなのだ。だから、私が見てきた子たちは、本来精神発達遅滞のみの診断が下されるべきだったのでは。。。しかし、興味深いのは、精神発達遅滞の子たちでも、学習障害と同じ症状を呈していた(鏡文字、黒板のどこを写しているのかわからなくなるなど)。だから介入的には学習障害の子たちと同じような介入方法を取っていた。

アメリカで多いのは、考える能力(つまりIQ)には問題ないのに、読み書き算数の能力のどれかが圧倒的に低い子どもたち。考える能力はあるのだが、どんなに頑張っても読み書き算数のうちどれか、もしくはすべてができないのだ。

この間小学校で検査した子は、いくつかの「考える能力」は同級生よりも飛び抜けていて秀でていたけれど、その子はどうしても学年レベルの読みがまったくできない。本人もすごく頑張って努力しているのに、どうしても読めなくて本当に可哀想だった。

ちょっと話がずれるけど、日本語と英語の構造の違いを考慮すれば、なぜ日米で学習障害の罹患率の違うのか説明がつくように思う(実際違うのかな?DSM見てみないと分からないけど)。こっちで育った日本語と英語のバイリンガルの子どもたち、特に5歳前後の書き言葉を習い始める時期の子どもたちを何人か見てきたけれど、どうやら日本語のひらがなはすらすら読めて書けても、英語はなかなか読めて書けない子が多いらしい。
実際、この間アメリカの年長さんクラスで行動観察をしたけれど、ちゃんと言葉をスペルアウトできる子もいれば、できない子も結構いた。うちの学区では、年長さんになると読み書きができてないといけない。

なぜ日米で学習障害の罹患率が違うのか。。私の考えでは、ひらがなは発音通りにつづるものやけど、英語は発音とアルファベットが一致しないからだと思う。確かに、日本語の漢字は難しいかもしれないけれど、書き言葉としてはシンプルだと言える。その点、英語はつづりを覚えないと、発音だけを頼りにしても正しいつづりは書くことができない。読むのも、日本語はひらがなのまま読めばいいけれど、英語ではつづりと発音は一致しないので、単語ごとに正しい発音を学習しなければいけない。
この話は言語聴覚士の人のほうが詳しいと思うので、いろいろ教えてもらいたいなぁーと思うのだった。あとで実習先の言語聴覚士さんにメールで聞いてみよう!

私はメンタルヘルス分野のバックグラウンドしかないので、スクールサイコロジストが精通していなければいけない学習面(特に読み書きの成り立ちに関する分野)の知識がまったくない。だから、今学期、学習障害というものを理解するのにすごく苦労した。日本では、臨床心理学では読み書きの成り立ちについてまったく習わなかったけど、これは教師の人の分野だからかなぁ?まぁ確かに読み書きは教育分野であり、臨床分野でないといえばない気がする。。

日本語でも同じだと思うのだけれど、英語で読み書きを成立するにはいろんな能力が揃っていないといけない。今学期は本当にいろいろと勉強になったことが多くて、まとめてみたいと思う!

1)Orthographic Processing(表記処理);書かれている文字を認識できる能力。例)"dog"という文字が書かれていたとすると、それを脳が"dog"と認識できるのか、"bog"と認識してしまうのかで、当然読み書きの能力に支障が出てくる。

2)Phonics Skills/Phonemic Awareness(音韻認知);書かれた「文字」と「音」のペアリングを正しく認識できる能力。この音韻認知能力が弱い子は、"computer"という文字が書かれたいたとすると、この文字を見ても一体どんな発音をするのかまったく分からない、もしくは誤った発音で読んでしまうといった感じ。この能力はのちの「読み」能力を予測すると言われていて、この能力が低い子は読みが弱い場合が多い。この詳細な関連性は一体何なんやろうなぁ〜。みんな文章を読むときは、頭の中で音韻化している、ということになるのか。。?

3)Decoding Skills(解読スキル);書かれた文字がどのよう意味を持つか理解する能力。一文字がどのように見えるか、一単語がどのような意味を持つか、一文がどのような意味を持つか。。といったいろんなレベルで言葉を理解できないと読み書きは成立しない。

ほんとどの人が、すらすらと読み書きを覚えるけれど、細かいステップに分けるとこんなたくさんの段階を経てうちらは読み書きができるのだ。すごいことやんな〜。算数の学習障害については成り立ちがイマイチよくわからないので、また今度調べてみよう。心理学って面白いなと日々思うのでありました。

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話は逸れるけど、うちの海くんは牛が怖い。今さっき動物のマグネットを冷蔵庫に貼り付けて遊んでいたけれど、牛のマグネットと、牛に似てるロバと、馬のマグネットを選んでそっと引き出しの中に隠しているところを見てしまった笑 そんなに牛が怖いんやなぁ。。。!笑