11/30/2011

本当に恐ろしい国アメリカ。。。

さっきおっそろしい話をJoelから聞きました。。。

Joelの同僚で結構仲良くしている妊婦さんがいました。この妊婦さん、一年ほどJoelの会社でパートタイムで働いていたのですが、仕事が認められフルタイムで雇用されることに!

アメリカでは、正社員で働き始めた場合、そこの会社がオファーしてくれる健康保険の効力が出るまで3か月かかります。どんな会社、職種でもこれは絶対みたいです。つまり、誰でも正社員で働き始めた場合、すでに働いていても3か月間は医療保険が無いのです。

この妊婦さん、フルタイムに正式採用される直前に妊娠が発覚しました。パートタイムでは会社の医療保険に入れてもらえないし、個人で保険に入ると月々の支払いがとてつもなく高いので医療保険に入っていませんでした。また、医療保険がなく、病院に行って医師に看てもらうと超高額医療費が全額自己負担になってしまいます。なのでこの妊婦さんは少しでも費用を抑えようと、助産師さんとオーガニック大好き系の怪しい癒しセラピストみたいな人しかいないバースセンターみたいなところに通っていました。ちなみに私もアメリカ人の友達に妊娠したと報告したとき、助産師と怪しいセラピストしかいないバースセンターに行った方が良い、医者は診察時間も短いし対応が冷たいよと言われましたが怖いので断りました。あと、この妊婦さん、エコーは近くの教会で無料でやってもらっていたみたいです。
異変はちょこちょことありました。なんとこの妊婦さんは妊娠4か月なのにすでに15キロも増えたそう。お腹もすっごく出っ張っていて、Joelはその人を見る度、「Kumiはまだお腹がぺったんこなのにな〜。Kumiももうすぐしたらお腹がこんなに出てくるのかなぁ〜」って思っていたそう。もとがすっごく細くて筋肉もある健康的な人なだけに、うちらは初めてそれを聞いたとき「え!?大丈夫なの!?」って思ってました。彼女の担当の助産師さんも結構な体重の増加にびっくりしていたそう(悪く言えば、びっくりしていただけで何もせず)。で、このちょっと後位から、妊婦さんはよく会社で「最近気分がすぐれない」と言っていたそう。

ある日会社で緊急ミーティングがあり、Joelおよび同僚の人たちは上司から「○○さんが流産した。命に関わる大手術だったが今は入院して安静にしている」と報告を受けたそう。うちら大ショック!そして、こんなセンシティブな話、どうして社員全員にするんだろうと思うんだけど、アメリカでは普通らしいですね。。私がもし流産したら回りに気を遣われることがすごく負担になると思うのでこういう話はただ一緒に働いているだけの人にはしないでほしいと思った!
で、この妊婦さん、どうやら妊娠したせいで腎臓の動きが止まってしまい身体中に水がたまっていたそう。増えた15キロは体液などの老廃物だったのです。医師にかかっていれば命の危険に晒される前に対処できただろうに、本当に気の毒です。。ちなみにキリスト教は中絶は絶対反対派。だから教会でエコーを受けても中絶を促進するような情報は教えてくれないはずだとJoelは言ってます。もちろん医師が教会でエコーなどをやってくれたり診察してくれるはずはないため、どちみち危険ですよね。。

妊婦さんはあと3日病院に来るのが遅かったら死んでいたと言われたそうです。身体に異変を感じてERに駆け込んだら命に関わる超緊急の一大事であることが分かり、ヘリコプターでシアトルの病院まで運ばれたそう。医療保険があれば、最初から医者にかかることができたし、危篤状態までいくこともなかったのに。。本当に気の毒です。。。

そして、この妊婦さん、なんとこの手術で病院から600万の請求が来たそうです。。!!もちろん医療保険に入っていないので全額自己負担。。あと2週間で3か月の猶予期間が終わるということろでの手術。Joelの会社の保険はかなり良いプランなので保険を適用すれば自己負担は数十万程度で収まっていたはず。本当に本当に気の毒になりました。。。手術する2週間前に車を購入していたそうでその支払いもあり、今は医療費破産を申請しようと考えているそうです。。(そんなのあるんですね。。)
この妊婦さん、旦那さんが大学院を卒業した直後に時給40ドルというすごいリッチな自宅で働けるフルタイムの仕事が決まったそう。それとほぼ同時に赤ちゃんもできて、自分もフルタイムで仕事が決り、本当に幸せそうでした。なのにある日突然赤ちゃんを失い、その上600万の負債を負うなんて本当に本当に気の毒で何と言ったらいいのか。。
アメリカって恐ろしい。本当にそう思いました。。