もう本当にショックで昨日からこの事が頭から離れません。。水曜日の午後、つまり2日前に大好きだった大家さんが亡くなりました。
昨日の晩、隣に住んでいるラマールちゃんがドアをノックしてくれ、「この手紙、今ポストを見たら入ってたんだけど見た?」と声を掛けてくれました。そこには「昨日の午後、夫であるTonyが亡くなりました」と。。。大家さんは名義上奥さんのKataになっているのですが、事実上は夫婦二人共が大家さんです。昼間を最後にポストをチェックしてなかったので、Tonyが亡くなったなんて全く知らず手紙を見せてもらって本当に大きなショックを受けました。
時々ブログにも書いていますが、私たちの大家さんはクロアチア移民でとっても優しい素晴らしい人たち。私たちが結婚した日に花やワインをくれたり、日本で地震があったときはすぐに電話をくれて私の家族や友達は大丈夫かと声を掛けてくれたり、クリスマスにクッキーを焼いてくれたり、Joelがまだ一人でアパートに住んでいた時は家に時々呼んでもらってクロアチアのカルーアを飲ませてもらったりしたそう。
亡くなったTonyは本当に素敵で優しい人でした。いつも親切でうちらが心地よくアパートに住めているか、体調はどうかなど気にしてくれていました。妊婦の私の体調を特にいつも気遣ってくれていたけど、一番辛かったのはTonyのほうだったのに。。
大家さん夫婦は本当にラブラブで、Joelが私と結婚する前、Joelにこう言っていたそうです。「奥さんのことは一生大切にするんだよ。大切に大切に扱ってあげれば、自分のことも大切にしてくれる。そしたら二人とも一生幸せでいられるよ」。
今のKataの気持ちを考えると何と声をかけて良いのか全く分かりません。。本当にお似合いで素敵だった夫婦。。54年間連れ添って、いつも幸せだった二人。いつも一緒にいて、これからもずっと一緒だと思っていた最愛の人がある日突然いなくなるとはどういうことなのか。。考えたくもありません。
今日は隣のコンプレックスに住むKataに会いに行きました。何度もTonyの事を思い出して泣き、もう本当に心が折れてしまって弱っているのが目に見えて分かりました。。
Tonyはちょうど15か月前に突然肺がんと診断されたそう。たった15か月で何もかもが変わってしまった二人。2年前はまさかTonyが亡くなるだなんて思いもしなかったと思います。
一回目の手術ではがんがすべて切除されたそうで、二人とも大喜びだったそう。ところがすぐに再発し、今度は体中に転移。2回の化学治療にも全く反応せず、延命治療を拒否していたTonyの意向もあり、病院ではなくホスピスで痛みや不快感の緩和のみを中心に行っていたそう。最近最後に放射線治療をした時は、身体中を焼くことになり本当に苦しんだそうです。でも、Tonyは今まで一度も弱音を吐いたことも辛いと口に出したこともなかったそうです。。。Kataを不安にさせて心配を掛けたくなかったんだろうなぁ、いつも強い責任感を持っていたTonyらしいなぁと思いました。。。
ここのところ、体調はずっと悪かったみたいですが先週の金曜に容態が急変し、それから亡くなるまでホスピスでずっと過ごしていたそうです。
孫娘がちょうど大学を卒業したそうで、卒業式を避けるためにお葬式は亡くなった一週間後に行われることになりました。隣町のFerndaleにあるカトリック教会で行われるそうで、誰でも参加してOKとのことなので、私とJoelも参加したいと思います。アメリカに来て初めて参加するお葬式。とっても悲しいです。
今日の朝起きたら、雲ひとつない晴天でいつもより海が綺麗に見えました。Tonyにも見てほしかったな。きっと喜んだだろうなぁと考えていました。
自分がもし死んだら、人に忘れられ自分が存在していたという事実自体が消滅してしまうのが一番悲しいことなのかなぁと考えていました。その点、Tonyはみんなから愛されていたし、私たちは何年たってもTonyのことは忘れません。思いやり深く、いつも笑顔で優しさの固まりのような人だったTony。最高の大家さんで旦那さんでおじいちゃんでもありました。天国で、辛い痛みから開放され、幸せにニコニコ過ごして いるのかな。
Tonyのご冥福を心からお祈りしたいと思います。。。